災害時のデリケートなトイレ問題に触れてきました!

7月31日、東京ビッグサイトで開催されていた『下水道展’15 東京』の併催で”災害時のトイレ・下水道フォーラム”なるイベントが開催されました。このイベントは防災WGも会員として名を連ねている、NPO法人日本トイレ研究所(トイレ研)によるものです個今回トイレ研さんからご案内をいただき、防災WGもイベントに参加してみました。
災害時のトイレ・下水道フォーラム URL:http://www.gesuidouten.jp/event/index02.html

 

 

(トイレ研とは?)

トイレ研は、”トイレをとおして社会をより良い方向に変えていく”ことをコンセプトに活動を続けているNPOです。トイレに関する啓発活動はもとより、先の東日本大震災では被災地へのトイレ整備に関するボランティアも積極的に行っており、防災を考える際にトイレは切っても切れない関係であることを熟知している方々です。先日開催したこすぎ防災フェスでも、トイレ研から様々な展示資料をお借りしました。実際に被災地の過酷なトイレ事情を展示で目にした方も多いのではないでしょうか。
トイレ研 URL:http://www.toilet.or.jp/
(どのようなイベントだった?)
このイベントはサブタイトルとして”人には言えない、聞けない、避難生活の「トイレとプライバシー」”と題したものになっています。

災害におけるトイレを一人になれる、健康と尊厳を守る空間と位置づけられるものの、そのプライバシーや防犯という観点からも中々問題が表に出てきにくい存在とも言えます。
そうしたプライバシー面から災害とトイレという問題を切り取ってみましょうという趣旨で進められました。

 

基調講演は仙台在住の漫画家である井上 きみどりさんが『災害時に、女性が困ったこと。』と題して行われました。

 

ご自身の東日本大震災における被災体験、その後の被災地ボランティア活動から見えてきた点など、実践的な側面から多くのお話をいただきました。
非常に生々しい、現実を直視させられた時間でした。話の性格上ここでは書きにくいことが多かったのですが、地震発生時、下水管が壊れているにも関わらず、きみどりさんお住まいのマンションではトイレを使われていたそうで、行き場を失った下水が1Fのきみどりさん宅に押し寄せたエピソードはゾッとしました。本当に他人ごとではない・・。
その後トイレ事情が改善され、用を足している際に”尊厳を取り戻した気がした”というお話も忘れられないエピソードです。

トイレ展示その1

当日は様々なトイレが展示されていました!

 

 

 

 

 

 

トイレ展示その2

こんな素材のトイレも?

 

 

 

 

 

 

 

その後、現役の看護師さんによる大規模避難所の衛生維持の難しさについて説明いただきました(これもすごかった!)。衛生管理はちょっと怠ると影響が猛烈な勢いで広がっていくため、適切なタイミングで適切に手を打つ必要がある。頭ではわかっているのですが現場をくぐり抜けて来た気迫を感じたプレゼンテーションでした。
後は目黒星美学園の皆さんによる防災取り組みのプレゼンテーションに心から驚かされました。被災地へのボランティア活動を行いながら、自分たちの地域の防災に関しても改善への取り組みを続けていく姿は頼もしい限りでした。
特にみんなで議論しつつ、平行して実証的な取り組みから最善の案を見つけ出していく姿勢には非常に感心しました。防災WGも同様の姿勢を志向していますが、すでに高校生の皆さんが実行に移している姿に勇気づけられました。

 

目黒星美学園の皆さんによる展示

トイレ関係の取り組みには、学ぶところの多い展示でした。本当にすごい!

 

 

 

 

 

 

 

 

このイベントは短い時間ながら、非常に多くの気付き・発見に満ちていました。
この時間で得たことを防災WGに持ち帰り、応用できるところを見つけ、日々の取り組みの中に生かしていければと強く思う次第です。

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